認知症になっても、顔がわからなくなった相手にでも感情は残っている

平成37(2025)年には65歳以上の認知症患者数が約700万人に増加するとも言われています。

認知症の症状として、物忘れが激しくなったり、今いる場所がわからなくなったり徘徊をしたりということがあります。不安を感じ感情のコントロールがうまくいかなくなり、暴力をふるうこともあります。

色々な症状が現れるようですが、記憶や覚えることは難しくなっても「嬉しい」「悲しい」などの感情は残るそうです。

 

認知症の人と健常者17人を対象に記憶と感情について

2014年9月、認知行動と脳神経に関する学術専門誌に認知症について掲載されていたものを引用します。

調査内容

被験者に、悲しみや幸福の感情を体験させるための映画クリップ(悲しみを誘導する映像と幸福を誘導する映像)を見せ、悲しみ、幸福、それぞれの感情の変化と記憶の状態についての調査。

結果

認知症患者では悲しみ、幸福に関する映像の記憶をひどく損なっていて、認知症のうち4人は、悲しみを誘導する映像の事実、詳細を思い出すこともできず、映像をみたことさえも覚えていない人もいた。

感情の評価

感情の変化では認知症の人も健常者の人も悲しみや、幸福の感情がそれぞれ上昇していることが示されている。

結果

記憶が失われても感情は残る

経験から受ける感情を体感できる

 

認知症の人も認知症でない人も生きている限り感情はある

誰なのかがわからなくなっている認知症の人が、家族が会いにいくと笑顔を見せ嬉しそうな顔をして、誰なのかはわからなくても、「よく面倒を見てくれるけど、よく怒る人」とか「可愛くて優しい子」とその人のことを言うと聞きました。

元気だったころの印象や、その人との関りの中で残っている感情があり、嬉しい、好き、という感情だけが残るのではなく、嫌、嫌い、悲しい、怒るなどの感情も残るようです。

認知症の人が徘徊をする原因として、今いるところが自分の家でないと感じて、落ち着かなくなり徘徊をしたり自分の家に帰ろうとして徘徊をすることが多くあります。また以前「仕事をバリバリ」としていた人は会社にいかなくてはと退職をしているにもかかわらず徘徊をすることもあります。

人が行動をするときなぜその行動をするのかという思考と感情があります。

たとえば、家の中で認知症の人につい怒ってしまったとします。
そのとき「怒られた」ということは忘れても、「嫌な気持ちになった」ことは覚えています。その結果、嫌な気持ちになるところから逃げたいという理由で徘徊してしまうのです。

また会社にいかなくてはと思い徘徊するときは、自分がかつて「仕事をバリバリ」していた輝いている自分に戻りたいという気持ちが心の中にあるともいわれているようです。

ついつい後回しになりがちな感情を大切に

私たちは、「嬉しい」「恐い」「悲しい」「嫌だ」「好き」など色々な感情を感じながら生活をしていますが、体の健康を優先しがちで気を使いケアをしています。たとえばジムに行ったり、サプリメントを飲んだり、また風邪をひいたら病院で手当てをしてもらいます。

半面、心のケアに関してはどうしても後回しになりがちです。

2014年9月の研究のように認知症になれば記憶が薄れ、今みた映像でも内容が思い出せなかったり、映像をみたことさえも思い出せないこともあります。

感情に関しては上昇しているということからも、生きているかぎり感情を感じなくなることはないようです。

心の健康には、感情がとてもおおきな役割をしています。ネガティブな感情にも嬉しい感情にも一日の少しの時間、自分の感情に目をむけてみてください。体の健康は大事なことですが、心も健康であることが本当の意味で健康と言えるのではないのでしょうか。

 

↓感情についてのコラムです。よろしければご覧ください。

http://mbp-aichi.com/counseling-cocoro/column/683/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者プロフィール

cocoro
cocoro心理カウンセラー/ワンワンコミュニケーションカウンセラー

人間関係の悩みから開放するサポートをするカウンセラー。名古屋で個人カウンセリングを中心に活動。
OL時代、人間関係で悩み、過呼吸になり自分が苦しくなったことで、心理の勉強をし始めたことがカウンセラーの道へ進むきっかけとなったが、カウンセリングを実際に受けることで自分が変わり楽になったことから、同様に苦しんでいる人のサポートをするカウンセラーになる。
カウンセリングが、特別なものではなく、もっと日常生活に密着し、一人一人が自分に素直に生きていくことができるようにサポートをする活動にを展開中。